高嶺格[大きな休息]

2008年11月29日(土)~12月24日(水)、せんだいメディアテーク6階ギャラリー4200にて開催される企画展「高嶺格[大きな休息]」ウェブページ。

作家略歴

「私」にはどうすることもできない、巨大なシステムに突き動かされている−これが、現代世界に生きる私たちの実感ではないでしょうか。システムは情報化・グローバル化した産業・消費のサイクルとして、またとどまることを知らない監視化と規則の徹底として現れているように思われます。その息苦しさに倦み疲れた私たちには、たしかに癒し、趣味、レジャー、ゲーム、グルメといった「娯楽」が許されていますが、それらもまたシステムによって供給される「小さな休息」にすぎないともいえます。このような時代に、「アート」とはいったい何でしょうか?アートだってしょせんシステムの一部にすぎない、とシニカルにつぶやくことは簡単です。けれどもこのようなアキラメの気分こそ、「巨大な力の前では思考を停止せよ」というシステムの指令を、もっとも忠実に実行する態度にほかなりません。この困難な状況のなかであえて「私」という領域に踏みとどまり、素朴であることをおそれずに表現し続けるアーティストのひとり、それが高嶺 格です。今回の展示では、これまでの自作を振り返る機会をもった作家が、1.095m2という大きな空間と向き合います。この空間の中に設置される高嶺の諸作品を「明日のためのガーデニング」として、とらえたい。アートを「大きな休息」として、つまり私たちの心の庭を耕し、希望の種子を撒き育ててゆく営みとして提示したいと思います。

作家略歴

高嶺 格(たかみね・ただす / TAKAMINE Tadasu)

【写真】高嶺氏美術作家。1968年鹿児島生まれ。京都市立芸術大学工芸科漆工専攻、岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業。京都造形芸術大学客員教授。1990年代初頭より、個人およびグループでパフォーマンスなどを行い、ダムタイプの作品にも参加する。舞台芸術などの空間造形にも関わり、身体を主軸にして様々なメディアを駆使しながら多彩な作品を発表している。主な作品に、ヒ素ミルクの被害により身体に障害を受けた男性の介護を通して生まれた映画作品「木村さん」や、コモン・センスを巡る現在の混迷した状況を表現したインスタレーション「ビッグ・ブロウ・ジョブ」、2トンにも及ぶ粘土を使用したクレイアニメーション「God Bless America」など。「性」の問題にも触れながら、異なる背景や価値観を持つ他者への接触と困惑、更に相互理解を志向するプロセスを表現している。これまで、第50回ヴェネチア・ビエンナーレ、京都ビエンナーレ2003、釜山ビエンナーレ2004、横浜トリエンナーレ2005など多数の国際美術展に参加。他に、近年は「もっとダーウィン」、「アロマロア・エロゲロエ」、「リバーシブルだよ人生は。」などのダンスパフォーマンス作品を制作・演出している。せんだいメディアテークとの企画は2005年「景観・もとの島」展以来3年ぶりとなる。

関連イベント

1.スタジオレクチャー「明日のためのガーデニング」11月29日(土)午後2時~4時 7階スタジオa

7階スタジオにて行われるレクチャーシリーズの5回目として、高嶺格と本展監修者の吉岡洋が対談します。
高嶺のこれまでの作品を振り返りながら、現在の社会におけるアートの可能性について考えます。
参加費:800円(飲み物つき、展覧会入場料含む) 定員:50名 申込締切日:11月21日(金)
申込方法:電子メールまたはファックスに、住所・氏名・年齢・電話番号をご記入の上お申し込みください。

2.サウンドパフォーマンス「ガーデニング入門」12月24日(水)午後7時~8時 6階ギャラリー

サウンドアーティスト 梅田哲也による6階展示空間内でのコラボレーションライブです。
参加:申し込み不要、展覧会の入場料が必要。
※(本展と同時期に行う、音響や映像の表現を中心としたシリーズ企画「5番チューブ再開発計画」で、梅田哲也のサウンドインスタレーションを各階5番チューブ内に展示しています。)

3.「ホワイエカフェ」12月12日(金)・24日(水)6階ホワイエ 午前10時~午後8時30分

コーヒーと共に光のページェントを眼下に楽しめるカフェを開催します。(コーヒー等の販売は午後5時から。)

ウェブログ

高嶺氏のウェブログへ移行します。ページが変わらない場合は、以下URLをご覧ください。
http://www.smt.jp/bigrest/blog/

【画像】2008年11月29日(土)~12月24日(水)、せんだいメディアテーク6階ギャラリー4200 協賛/後援/監修など

【画像】せんだいメディアテークロゴマーク
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