舞踊体験ワークショップに参加を希望される方は2004年1月7日(必着)までに、往復はがき、FAXまたは電子メールにて、催しもの名、住所、氏名、電話番号、年齢、電子メールアドレス、参加希望日(1月11日か12日)を明記の上、せんだいメディアテーク「架空の郷土芸能つくりますワークショップ」係まで。
その昔、宮城県北部から岩手県一関市周辺地域で行われていたと伝えられる奇習「ヂヤイ神楽」の存在とその驚くべき全容が近年の様々な研究によって解明されつつある。そのきっかけとなったのは北陸地震で倒壊した三ノ輪神社の床下から発見された奇妙な3枚の算額だった。一見祭式の次第を定めた昔ながらの覚え書きに見えるそれにはしかし、高度な数学的法則を用いた動きと音楽を生み出す不思議な手法(アルゴリズム)が詳細に描かれていたのである。それは、ジャンケンにも似た3つの状態の組み合わせによる単純な規則によって極めて複雑な振る舞いを生み出す「蛇居拳算(じゃいけんざん)」と名付けられた算法で、幾何学問題に代表される、算額が扱う様々な問答の慣習とは別次元の、当時としては世界的にも例をみない極めて特異なものと言えるだろう。その発祥の背景には、東北地方を代表する和算の大家、千葉胤秀や、若くしてその力量を認められながら非業の死を遂げた伝説の天才、鷹嘴侍相之介が深く関係していると見られている。それにしてもこの時代に、現代数学を先取りするかのような、乱数生成アルゴリズムに似た理論が、突如この東北地方にどのようにして生まれ得たのかは現在でもまったく謎のままである。
この伝承はフィクションであり、歴史上の、あるいは実在の人物、機関等とは一切関係ありません。また、このワークショップは現在も継続中であり、インターネット上で上記のような伝承についても制作中です(詳細はこちら)。上演までの間に内容が変更されることもありますので、あらかじめご了承ください。
江戸時代に日本独自に栄えた数学を現在「和算」と呼んでいる。当時の数学者(和算家)や一般の数学愛好家たちは、数学の問題や答を額にして絵馬のようなもの=「算額」をつくり神社仏閣に奉納した。算額奉納は、問題が解けたことを神仏に感謝したり、実力を誇示するために行われた。算額奉納の習慣は外国に例を見ないもので、現在、日本全国に約1000面の算額がある。幕末の一関周辺でも和算は盛んに学ばれ、関流和算家千葉胤秀門人らによる算額が鹽竈神社博物館などに残されている。
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