仙台というまちにはじめてやってきた頃、この街を他の外国の人に説明することは簡単ではありませんでした。これを見ればこのまちがわかる、仙台のシンボルとでもいうべきモノが少なかったからです。しかしせんだいメディアテークを知り、外国人に興味をもってもらえそうな物として紹介するようになりました。メディアテークは比較的海外でも有名な建築物でありながら、実際も名前だけ有名なハコではなく、来た人がハッピィになれるしかけがたくさんありますから、紹介者としても鼻が高いです。今回のWカップ開催中も実に多くの外国人が仙台を訪れましたね。私はワールドカップの時期は実はSPRESS「仙台市海外プレスサポートセンター」で働いていたのですが、スウェーデンの広報担当官と、トルコの特別大使のお二方には、メディアテークをご案内し感心していただきました。
しかし、私はこんなにも立派な施設を持っている仙台市はもっともっとうまく、シティセールスをやるべきだと思うのです。 ヨーロッパでは美術館などの建物を建てるのは簡単に言うと「街の自慢をしたい」、「こんなにも素晴らしい街なんだといいたい」からなのです。しかし日本では少し違っている。様々な要素の中で文化は決しておまけではないのです。何のために建てるか、何のために行うのかという明確な到達目標により、センスの良い文化は育って作られていくものなのです。メディアテークの場合は非常にうまくいってるようにも見えますが、しかし館のディレクションによるコントロールはこれからのように思います。決して神の見えざる手に委ねていては、地域に根ざした文化網は広がらないと思います。私は文化のマーケティング、せんだいの街や文化の海外へのセールスといった仕事で、市や館に貢献できればと思っています。