今回、1FオープンスクエアでATRの片岡勲人と「インタラクティブ・カオス」展を行い、指の脈波からカオスを抽出して表示し、インタネット画像検索のパラメータに使用する作品を展示した。
この展示にはsmtのプロジェクトメンバーとしてこのスペースのプランニングを手伝った経緯もあり、ギャラリーではなく、1Fでの展示を提案した。一般的に作品展示をするにはギャラリーみたいな、ある程度密閉されたスペースのほうが、展示のために守られた空間として展示はしやすいだろう。しかしながら、展示室も含めオープンな空間特性を持つこの建物を利用しようと思えば、やはり全ての壁は取り払ったほうが良い。そのような意味でオープンスペースは企画者が展示スペースを作る必要がある。
そのためにはもちろん、壁を立てて重くしてしまうことはここでは禁物だろう。もしかしたら巨大スクリーンすらもいらないのかもしれない。今回の展示はかなりスタティックな展示方法を使ったが、今後、よりダイナミックな展示方法を考えることは楽しみでもある。あのスペースでメンコやゲートボールとかやっているかのような展示も面白いだろう。
一見、無菌室のようなゲーム空間。特別、大きいわけではないが、現実の時間を区切るぐらいの広さ。でも冷たくはない。いずれ、照明の時間単位での自動制御化やプロジェクション能力のアップ、スクリーンのバリエーション化など、要望はいろいろあるが、まずは出来ることを試しながら、より良い空間になることをサポートしていきたい。
展示の時、入りづらそうにしながら、いざ展示デバイスを試してみると、長時間そこに留まってなかなか帰らない。そんな人たちを見ると、オープンなスペースだが一度入ると落ち着く不思議な空気を持っている場所だと感じた。smtらしい場所だね。