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報告 2022年05月27日更新
第15回映像サロンレポート
4月17日(日)にみやぎシネマクラドル第15回映像サロン「映像表現の可能性を考える~山田徹監督新作ラフカットから~」を開催しました。
山田徹(やまだ・とおる)監督
今回の発表者は、震災後から福島に通い、ときに現地に住みながらドキュメンタリー制作を続ける山田徹さん。原発事故に翻弄される漁師たちや帰還困難区域からの避難家族など、福島に生きる人びとの姿を映像を通して伝え続けてきた山田さんですが、現在は自身の出自である東京と福島を結ぶロードムービーを制作しており、その制作途中のラフカットを観ながら福島の人びとが置かれている現状、そして今後の作品のあるべき形について活発な議論が交わされました。
ディスカッションの様子
実は今回の作品は2月27日に会員限定で一度視聴し、意見交換会を開いているのですが、そのときのバージョンとの比較も含め、参加者全員からさまざまな意見や感想が出されました。まだ制作途中であるため詳しい内容には触れませんが、ディスカッションの内容は山田さんが福島で表現を続ける動機や福島を通して見えてくる今の時代、そして私たちが見過ごしてしまっていることなど多岐に渡り、今回のテーマである映像表現の可能性についてはもちろんのこと、ドキュメンタリーの作り手がいかに対象や映像と真摯に向き合うかについても改めて考える機会となりました。
これまでの映像サロン同様、好意的なものから厳しいものまで忌憚の無い意見がたくさん出ましたが、まだ制作途中ということもあり、多くの人が山田さんの作品に大きな期待を寄せ、作り手も自分自身の表現のあり方と照らし合わせ、有意義な時間となったことは間違いありません。今回の映像サロンが山田さんにとってより良い作品を生み出すための一助になれば幸いです。
そしてこの作品が福島で生きている関係者のみなさんにとっても大事な作品になることを願い、また一人でも多くの人が作品に触れて、何かしらの良い変化が生まれることを願い、みやぎシネマクラドルとしても引き続きできる応援を続けていきたいと考えております。山田さん、完成に向けてがんばってください!応援しています!
(文責 みやぎシネマクラドル 我妻和樹)