本や映像 2021年11月02日更新

草アーカイブ会議(2016年)の記録3


2016312日、せんだいメディアテークで「草アーカイブ会議 アーカイブは誰のもの?」という公開イベントを行いました。

草アーカイブとは? 草=草の根]
野球には、一流の技や勝ち負けを競う「プロ野球」と、上手い下手にかかわらずいろんな人が混ざって楽しむ「草野球」があります。次の世代に過去・現在の記録を伝える「アーカイブ」づくりも、専門家=プロだけに任せっきりにするのではもったいない。誰もが関わることができる、ごく日常的な文化活動としてのアーカイブ。それが「草アーカイブ」です。

各地域の中でさまざまな形で培われてきた草の根的なアーカイブ。風景、物語、暮らし、災害、戦争など、地域での出来事について記録し、伝える取り組みが各地で行われています。このイベントでは、独自の実践をしている方々からの話題提供をもとに、「アーカイブは誰のものなのか?」「アーカイブを誰がどのように育てていくのか?」を来場者とともに改めて考えました。

* * *

この記事では、「草アーカイブ会議」でのそれぞれの話題提供者による発表を、一人ずつ紹介していきます。
三人目の話題提供者は、NPO法人記録と表現とメディアのための組織remoの松本篤さん。市井の人々の記録や記憶の価値をさぐることを目的として、一般家庭の押し入れに眠る8ミリフィルムを発掘し、映像を囲み語り合う場をつくり、アーカイブを行ってきたremo。その活動の紹介とともに、「記録はだれのもの?」「記憶はどこにある?」というふたつの問いについてもお話いただきました。

【松本篤さん プロフィール(イベント開催当時)】
NPO法人記録と表現とメディアのための組織(remo)メンバー。2005年より昭和3050年代にかけて家庭用に普及した「8ミリフィルム」を収集・公開し、鑑賞会や展覧会などで活用するプロジェクト「AHA!(アハ!)」の世話人を務める。また、東京大学大学院博士課程に所属し、「コミュニティ・アーカイブ」を研究する。



話題提供:松本篤さん
*この動画は、「草アーカイブ会議」の動画(約3時間)をチャプターで区切り、松本篤さんのプレゼンテーションの開始時間(00:31:17)から再生されます。

【草アーカイブ会議 開催概要】

日時 2016312日(土)15:00-18:00
場所 せんだいメディアテーク<1階>オープンスクエア

はじめに
話題提供:北野央(せんだいメディアテーク 企画・活動支援室主事)

1部 各活動の紹介
話題提供:田中洋史(長岡市立中央図書館文書資料室室長)
話題提供:松本篤(NPO法人記録と表現とメディアのための組織remoメンバー)
話題提供:笠原一人(京都工芸繊維大学助教)
話題提供:佐藤正実(NPO法人20世紀アーカイブ仙台副理事長)

2部 草アーカイブの育て方 〜コツのコツ
それぞれの活動経験の中から草アーカイブをつくるうえで大切なポイントを確認・共有しました。

3部 「時間」を考える
草アーカイブが対象とする「出来事」から「時間経過」していく中で、どのように活動していくかについて考えました。
*時間の関係で、第3部は第2部とまとめて実施しました。

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