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草アーカイブ会議(2016年)の記録6
2016年3月12日、せんだいメディアテークで「草アーカイブ会議 アーカイブは誰のもの?」という公開イベントを行いました。
草アーカイブとは? [草=草の根]
野球には、一流の技や勝ち負けを競う「プロ野球」と、上手い下手にかかわらずいろんな人が混ざって楽しむ「草野球」があります。次の世代に過去・現在の記録を伝える「アーカイブ」づくりも、専門家=プロだけに任せっきりにするのではもったいない。誰もが関わることができる、ごく日常的な文化活動としてのアーカイブ。それが「草アーカイブ」です。
各地域の中でさまざまな形で培われてきた草の根的なアーカイブ。風景、物語、暮らし、災害、戦争など、地域での出来事について記録し、伝える取り組みが各地で行われています。このイベントでは、独自の実践をしている方々からの話題提供をもとに、「アーカイブは誰のものなのか?」「アーカイブを誰がどのように育てていくのか?」を来場者とともに改めて考えました。
* * *
この記事では、「草アーカイブ会議」でのそれぞれのセッションを紹介しています。
最後は、京都文教大学准教授(当時)の佐藤知久さんがコーディネーターを務め、「草アーカイブの育て方 〜 コツのコツ」と題して、話題提供者の皆さんや来場者の皆さんと一緒にディスカッションをしました。
アーカイブの面白さや可能性、時間との関係、記録する動機、そして権力性など話題は多岐にわたり、話し尽くせないことも多くありましたが、「アーカイブは誰のものなのか?」「アーカイブを誰がどのように育てていくのか?」という問いにつながる実りある会議となりました。
グラフィックファシリテーションは、てつがくカフェ@せんだいの近田真美子さんが担当しました。
コーディネーター
【佐藤知久さん プロフィール(イベント開催当時)】
京都文教大学准教授。専門は文化人類学。ニューヨークでHIVに感染した人たちがつくるコミュニティや社会運動や表現に関する研究を行う。その後、都市文化やメディアをテーマに国内外でフィールドワークを行う。2013年からわすれン!を研究対象に、震災後の個々人の記録活動と公共施設としてのプラットフォームのあり方についてヒアリングを行う。
グラフィックファシリテーション
【近田真美子さん プロフィール(イベント開催当時)】
てつがくカフェ@せんだい。東北福祉大学講師。てつがくカフェのスタッフとして主に対話内容を整理するための板書(グラフィックファシリテーション)を行い、各地で哲学的対話実践の場を拓く。
「草アーカイブの育て方〜コツのコツ」
*この動画は、「草アーカイブ会議」の動画(約3時間)をチャプターで区切り、第2部「草アーカイブの育て方 〜 コツのコツ」の開始時間(01:20:37)から再生されます。
【草アーカイブ会議 開催概要】
日時 2016年3月12日(土)15:00-18:00
場所 せんだいメディアテーク<1階>オープンスクエア
はじめに
話題提供:北野央(せんだいメディアテーク 企画・活動支援室主事)
第1部 各活動の紹介
話題提供:田中洋史(長岡市立中央図書館文書資料室室長)
話題提供:松本篤(NPO法人記録と表現とメディアのための組織remoメンバー)
話題提供:笠原一人(京都工芸繊維大学助教)
話題提供:佐藤正実(NPO法人20世紀アーカイブ仙台副理事長)
第2部 草アーカイブの育て方 〜コツのコツ
それぞれの活動経験の中から草アーカイブをつくるうえで大切なポイントを確認・共有しました。
第3部 「時間」を考える
草アーカイブが対象とする「出来事」から「時間経過」していく中で、どのように活動していくかについて考えました。
*時間の関係で、第3部は第2部とまとめて実施しました。
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